今回はPCのゲーミングモニターを選ぶ際に見分けるべきポイントを紹介していきます。
「リフレッシュレートが高いモニターを選べばいいんじゃないの?」とか「応答速度が早ければいい」とか思ってる人は少なくないと思います。
ですが実際には、モニターパネルの種類や入力遅延なども関わってきていて、リフレッシュレートや応答速度を見ればいいだけということはありません。
更にゲーミングモニターと言ってもゲームのジャンルによっては選ぶ手段も変わってきますが、基本的には
- リフレッシュレート(※1)・・・モニターが1秒間に出力できる映像の回数のこと(Hz)
- 応答速度・・・秒数が早いほど残像が少なくキレのある動きをします(ms)
- パネル・・・TNパネル、IPSパネル、VAパネル、OLEDパネルの4種類
- 入力遅延・・・マウスやキーボードの入力がモニターに反映されるまでの時間を表示
この4つをすべて網羅したゲーミングモニター選びが重要です。
また4つの情報をのちのち細かく説明していくので、今はあまり気にしなくて大丈夫です。
※1 リフレッシュレートとフレームレートの違い・・・リフレッシュレートは「モニターが出力できるHz」でフレームレートは「パソコン本体が出力できるHz」という違いがあります。
リフレッシュレート
リフレッシュレートは「モニター本体が1秒間に出力できるHzのこと」です。
よく60Hzとか144Hzとかを耳にすると思います。
動画のリフレッシュレートの違いを見ていただければ一目瞭然ですが、60Hzより144Hzより240Hzが早いです。
これは移動位置をずらしてるとかではなく1秒間の周波数が高いほどフレーム処理が多いから起きる現象です。
どのゲームでもこのリフレッシュレートの違いは同じように発生するのでより高いリフレッシュレートのモニターを選ぶのがおすすめです。
応答速度
画面が”黒→白→黒”に変化するまでの時間を表しています。
よくある1msは黒→白→黒に変化する時間が1msということになります。
ではこの時間が短いとどういったメリットがあるのかというと
- 色の変化が早いので、画面がくっきりする
- 残像を感じづらくなる
です。
残像を感じるとは
画像のように残像が残ってる見える状態です。
他にも応答速度にはGTGやMPRTといった種類があります。
これらは普通の応答速度とは違い
- GTG(Gray to Gray)・・・中間色から中間色に変化する時間
- MPRT(Moving Picture Response Time)・・・動画を表示したときの残像や鮮明感を映し出せるか表したもの
です。
実際問題モニターの画面を黒→白→黒の順に表示することはほとんどありません。
なので、このGTGよりMPRTの時間が短いものの方が普段使うとき、よりはっきりとモニターの性能を表してくれています。
残像感を抑える技術も出始めている
この応答速度だけでなく、現在では残像感を抑える技術のあるモニターも出ています。
それが「モーションブラーリダクション」です。
モーションブラーリダクションとはDyAc/DyAc+機能やELMB機能という技術で残像感を抑えることができます。
- DyAc/Dyac+機能・・・BenQ独自開発の残像感を抑える技術(DyAc+は従来のDyAcに加え、色の再現性が高い)
- ELMB機能(Extreme Low Motion Blur)・・・ASUS独自開発の残像感を抑える技術
対戦型の早いゲームをプレイするときはこれらの技術が搭載されているモニターがおすすめです。
※G-SyncやAdaptive-Sync(Free-Sync)との併用はできないので注意してください。
パネル
パネルに使われている方式は4種類あります。
ですが、この4種類も大まかに反応速度が良いとかきれいな映像が楽しめるとかメリット、デメリットがあります。
もちろん現在の技術ではそのメリット、デメリットの差が縮んではいますが、モニターを5つ以上でしかありませんが使った私の感想でも違いがはっきりと分かります。
その4種類の方式が「TN方式」「VA方式」「IPS方式」「有機EL方式」です。
- TN方式(Twisted Nematic)・・・コスパが良く応答速度が速いが、視野角が狭く色再現があまりよくない(ゲーミング向き)
- VA方式(Vertical Alignment)・・・コントラスト比が良く黒色の均一性が高いが、応答速は遅く色再現はあまりよくない(動画や映画などの鑑賞向き)
- IPS方式(In-Plane-Switching)・・・視野角、色再現度が高いが、コスパが悪く白っぽい画面になる(写真、動画編集や映画鑑賞など向き)
- 有機EL方式(OLED)・・・上記3つの方式の性能を遥かに上回るが、コスパが非常に悪く焼き付きリスクが高い(ゲーミングや写真、動画編集や映画鑑賞など向き)
※1視野角・・・モニターの画面を斜めから見たときの画面の明るさが正面から見たときと同じように見れる角度
※2色再現・・・モニターの画面に表示するときに人間が視認できる現物の色と同じように画面に表示させること(割愛しますが、sRGBやNTSCなどがあります)
※3コントラスト比・・・画面で表示できる白と黒の間の比率。1000:1と表記されており、黒が1として白がその1000倍の明るさという意味がある
総合的なパネル方式の性能で比較すると
TN方式<=VA方式>=IPS方式<<<<<<<OLED方式
となりますが、使用用途によっては「TN方式の方が良い」や「IPS方式が良い」などあります。
大まかに説明しましたが、次でどのようなものか細かく説明します。
TN方式
パソコンやスマホなど多くの液晶で使われており、駆動電圧が低く普及率が高いためコスパが良いです。
ですが、視野角が狭かったり色再現度が悪かったりするためテレビには使われにくい駆動方式です。
メリット
- コスパが非常に良い
- 応答速度が速い
- 駆動電圧が低い
- たち下がり(白→黒)と中間色の応答速度は速い
- オーバードライブ機能で応答速度が改善
デメリット
- 視野角が狭い
- 色再現度が悪い
- 立ち上がり(黒→白)の応答速度は遅い
まとめ
後に紹介するVA方式やIPS方式のパネルと比べて応答速度は断トツに速いため、FPSやレース等の変化が激しいゲームではTN方式のモニターを購入している人が圧倒的に多いです。
TN方式パネルのおすすめモニター
・BenQ ZOWIE XL2411K(31091円 2023年10月4日時点 )
VA方式パネル
電圧OFF時の黒色が非常に綺麗でTN方式に比べてコントラストが高く、高価なテレビやモニターに使われていることが多いです。
湾曲モニターにも使われることが多い駆動方式です。
メリット
- コントラスト比が高い
- 黒色が非常に綺麗に映る
- たち下がり(白→黒)の応答速度は速い
- TN方式より視野角がよい
デメリット
- 立ち上がり(黒→白)の応答速度は遅い
- 中間色の応答速度が急激に低下する
- 色再現は良くない
- IPS方式より視野角が良くない
まとめ
黒色がきっちりしていてコントラスト比が非常に高いので、映像を楽しみたい人向けです。
VA方式パネルのモニターを使ったことないですが、激しいゲームには不向きなのでTN方式かIPS方式のパネルを使ったモニターをおすすめします。
VA方式パネルのおすすめモニター
VAパネルは使ったことないのでなんとも言えませんが、このモニターが安くてレビューも良いです。
IPS方式パネル
視野角による輝度、色変化が少ないのでどの視点からみても正面から見たときと同じ色で再現されます。
バックライトの光漏れにより引き締まった黒色が表示されないので、全体的に白さが出てきます。
黒色自体の輝度値が高いので、必然的にコントラスト比が低くなってしまいます。
TN方式より応答速度は遅いですが、その他の方式と比べ応答速度のばらつきが少ない点があります。
メリット
- 視野角が広い
- VA方式より応答速度が速い
- たち下がり(白→黒)の応答速度が速い
- 色再現が良い
デメリット
- TN方式より応答速度が遅い
- 全体的に色の白さが出る
- コントラスト比が低い
まとめ
視野角が広く映像がとてもきれいなので、ゲームをするけど動画とか映画とかを楽しみたい人向けです。
筆者はIPS方式のワイドモニターをしてますが、VALORANTも普通に楽しめています。
やや、コントラスト比が低い点は気になることがありますが、値段の高いモニターだとコントラスト比が良いものもあるようです。
IPS方式パネルのおすすめモニター
入力遅延
入力遅延はマウスやキーボードの入力をしてからモニターに反映されるまでの時間を表します。
基本的な入力遅延は16ms未満のモニターが多いので、公式にも記載されることはありません。
ですが、まれにその数値を大幅に超えるモニターがゲーミングモニターとして売られているみたいなので、一応自分が購入するモニターが16ms未満かどうが調べてみてください。
まとめ
モニター選びは予算と環境によって変わっていくことが非常に多いものです。
自分はウルトラワイドモニター一つでゲームやブログをしていますが、デュアルモニターにしている人も中にはちらほらいます。
モニターは値段によって性能が大きく変わってくるものなので、最初にケチるとあとあと痛い目を見るものなので、予算内で選ぶにしても性能の突き詰めはしっかり行うようにしておきたいです。
自分が今使ってるウルトラワイドモニターはIPSモニターで2022年から使ってますが、未だに現役で使えてて画面が大きいので重宝しています。